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術中開通確認、局所麻酔、抗血小板薬が頸動脈内膜剥離の低いリスクと関連する

・ドイツでは、頸動脈分岐部における全ての外科的・血管内的な手技を、法令制度として全国質保証データベースに記録しなくてはならない。我々の目的は、手技的変数と周術期変数の関連性を分析し、頸動脈内膜剥離後の入院中脳梗塞や死亡の率を調べることである。

・2009年から2014年までの間で、総数142074の待機的頸動脈内膜剥離手技が無症候性あるいは症候性頸動脈狭窄に対して行われ、データベースに記録された。この二次的データ分析の主要評価項目は、入院中の脳梗塞か死亡であった。大きな梗塞か死亡・脳梗塞・退院までの死亡が副次評価項目であった。調整された相対リスク(RRs)は、多変量マルチレベル回帰分析で評価された。

・主要評価項目は1.8%の患者で起こり、それぞれ、無症候性患者では1.4%、症候性患者では2.5%であった。多変量分析で、脳梗塞や死亡のリスクが独立して低く関連していたのは、局所麻酔(全身麻酔と比較して:RR、0.85;95%信頼区間[CI]、0.75-0.95)、一時閉鎖と比較したパッチ形成を使った頸動脈内膜剥離(RR、0.71;95%CI、0.52-0.97)、術中の開通確認をしたものでデュプレックス超音波によるもの(RR、0.74;95%CI、0.63-0.88)か、血管造影によるもの(RR、0.80;95%CI、0.71-0.90)、周術期抗血小板薬投与(RR、0.83;95%CI、0.71-0.97)であった。シャント無しや動脈クランプの短い時間も低いリスクと関連したが、交絡因子の可能性があった。

・局所麻酔、一時閉鎖と比較したパッチ形成、デュプレックス超音波や血管造影による術中の開通確認、周術期抗血小板薬投与が独立して、頸動脈内膜剥離後の入院中の脳梗塞や死亡の低いリスクと関連した。




by anaesthetist | 2017-03-13 21:01 | 術前・術後管理 | Comments(0)