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手術と麻酔後の中年における認知機能低下:アルツハイマー病予防集団のウィスコンシン登録からの結果

・手術と麻酔が、既存の認知機能低下がない中年に影響をおよぼす可能性がある。964人の、平均年齢54歳である参加者の記憶機能と実行機能を測定し、再び4年後までにも測定し、そのときまでに312人は手術をうけ、652人はうけなかった。検査のあいだの手術は即時記憶で(最大30ポイントのうち)1ポイントの減少と関連した、p=0.013:記憶機能が異常となったのは最初に正常記憶機能であった670人のうち77人で、手術をうけた114人中21人(18%)で、それとくらべて手術をうけなかった556人中56人(10%)であった、p=0.02。うけた手術の回数は再検査時の即時記憶機能低下と関連した、β係数(SE) 0.08(0.03)、p=0.012。作業記憶機能低下もまた積算手術時間の長さと関連した、β係数(SE) -0.01(0.00)、p=0.028。認知速度や柔軟性の低下はASA術前状態分類の悪化と関連した、β係数(SE) ASA1と2 vs. 3に対して 0.55(0.22)と0.37(0.17)、p=0.035。しかしながら、作業記憶機能低下はASA術前状態分類の改善と関連した、β係数(SE) ASA1 vs. 3に対して -0.48(0.21)、p=0.01。
by anaesthetist | 2018-03-09 23:20 | せん妄 | Comments(0)