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・回転トロンボエラストメトリー(ROTEMやTEG)のようなポイントオブケアの粘弾性止血試験は産褥後出血(PPH)の管理に使われてきた。この研究では、PPHでの自動ROTEM Sigmaでえられた所見と凝固と血小板数の検査値を比較した。

・前向き観察コホート研究では、PPH≧1000mL(か出血の臨床的重大関心事)である女性を集めた。Fibtem A5・Extem CT・Pltem(Extem A5-FibtemA5)の所見を、フィブリノーゲン・プロトロンビン時間(PT)・活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)・血小板数の検査値と比較した。

・521人の女性があつめられ、そのなかにはPPH≧1500mLとなった女性の277人中274人が含まれた。Fibtem A5の所見をフィブリノーゲンの検査値と644人中552人(85.7%)のサンプルで対応させた。検査値が異常となる頻度は低かった:フィブリノーゲン≦2g/Lとなったのは464人中23人(5.0%)、PTかAPTT>参照値の中点×1.5となったのは464人中4人(0.9%)、血小板数<75×10⁹/Lとなったのは477人中11人(2.3%)であった。Fibtem A5がフィブリノーゲン≦2g/Lを検出することに対する受信者操作特性曲線下面積は0.96(95%信頼区間(CI) 0.94〜0.98、P<0.001)で、Fibtem A5≦11mmでフィブリノーゲン≦2g/Lを検出できる感度と特異度は0.76と0.96であった。Extem CTが延長した所見は、低フィブリノーゲン血症を治療したあとのみ改善した。ROTEM Sigma変数に基づいた血小板と新鮮凍結血漿(FFP)の輸血する介入タイミングは確立できなかった。

・PPH(≧1000mLか、出血の臨床的重大関心事である症例)において、ROTEM Sigma Fibtem A5によりフィブリノーゲン≦2g/Lを検出でき、目標とするフィブリノーゲン置換の指標となりうる。検査値は血小板やFFPの輸血の指標として使用すべきであろう。

# by anaesthetist | 2021-12-02 19:21 | 止血・凝固 | Comments(0)

・術中血圧に対する年齢と性別の特異的な参照ノモグラムが公開されているが、それらは有害閾値を決めていない。そこで著者らは、非心臓手術をうける小児において、低血圧のさまざまな絶対的ならびに相対的な特性と急性腎障害の関連性を評価した。

・著者らは2つの三次医療センターの電子データを使って後向きコホート研究をおこなった。その対象となった入院患者は18歳以下で、全身麻酔下で非心臓手術をうけた。術後腎障害の定義は、血清クレアチニン濃度に基づいた世界腎臓病予後改善委員会の定義を使った。著者らは、絶対最低術中平均動脈圧(MAP)か、ベースラインからの最大MAP減少が5分間積算で維持された場合の腎臓有害閾値となる可能性を評価した。個別分析を、2歳以下・2〜6歳・6〜12歳・12〜18歳の小児でおこなった。

・非心臓手術をうけた64,412人の小児のうち、4,506人のクレアチニンを術前と術後に評価した。この集団での急性腎障害の頻度は11%であった(4,506人中499人):6歳未満では17%、6〜12歳では11%、青少年では6%でこれは成人で報告されている頻度と同等であった。5分間維持された最低積算MAPと術後腎障害に関連性はなかった。同様に、最大積算MAP減少割合と術後腎障害に関連性はなかった。腎障害での調整予測オッズは、最低MAPが5-mmHgずつ減少するごとに0.99(95% CI、0.94〜1.05)、ベースラインからの最大MAP減少が5%減少するごとに1.00(95% CI、0.97〜1.03)であった。

・成人とはっきり対照的に、著者らは術中低血圧と術後腎障害に関連性を見いだせなかった。わずかな低血圧を回避することは、小児患者での術中腎障害を予防しようとする上で臨床医の主要な関心事にすべきでない。

# by anaesthetist | 2021-12-01 19:07 | 腎障害 | Comments(0)

・目的として、帝王切開の脊髄くも膜下麻酔後シバリングを予防する際のオンダンセトロンの有効性を評価しようとした。

・研究デザインは、系統的レビューとメタ分析であった。

・PRISMA声明にしたがって、PubMed・CINAHL・Cochrane・EMBASE・Google scholar・他の灰色文献データベースを適格な研究に対して検索した。

・帝王切開の脊髄くも膜下麻酔後シバリングの全体的な頻度は32%で、オンダンセトロンを投与された患者では24%、プラシーボ群では40%であった。合計19の試験で1399人の患者が評価された。プラシーボとくらべて、オンダンセトロンはシバリング頻度を減少させるのに有効であった(RR、0.47;95% CI、0.29〜0.78;P=0.003)。エビデンスの質は相当な異質性・不正確性・出版バイアス疑いのために低い。オンダンセトロンを投与された患者はシバリングのレスキュー治療の必要性がより低かった(RR、0.34;95% CI、0.15〜0.76;P=0.009)。また、オンダンセトロンと関連したのは、血管作動薬治療の必要な低血圧や嘔気嘔吐の低い頻度で、徐脈の頻度に影響はなかった。


# by anaesthetist | 2021-11-30 19:29 | 薬剤・麻薬 | Comments(0)

・この研究の目的として、帝王切開をうけるCOVID-19妊娠女性の臨床特性と転帰をまとめて、この患者群における入院時の血液データと重症COVID-19疾患の関連性を評価しようとした。

・後向きに解析した臨床データは、110人のCOVID-19に感染した患者で帝王切開をトルコのアダナ市教育研究病院でうけた。患者のCOVID-19重症度は重症か非重症で、世界保健機構のCOVID-19臨床管理ガイダンスに基づいて分類した。重症患者と非重症患者で血液データ・臨床特性・転帰を比較した。受信者操作特性(ROC)曲線を解析してROC曲線下面積(AUC)値を計算して、COVID-19重症度に関する血液データ変数の予測能を評価した。

・110人の女性のうち、12人が重症症例であった。重症患者は入院時に、フェリチン・好中球-リンパ球比(NLR)・乳酸脱水素酵素(LDH)・アラニントランスアミラーゼ(ALT)・アスパラギン酸トランスアミラーゼ(AST)・プロカルシトニン値がより高値であった(p<0.05)。NLR・LDH・AST・ALT・フェリチン・プロカルシトニンでのROC解析により証明されたAUCはそれぞれ、0.757・0.856・0.840・0.771・0.821・0.698であった。LDHで最高の特異度(90.8%)があり、そのカットオフ値は365であった。O型血液群において非O型血液群よりも疾患重症度がより高くなりがちであった(相対リスク:3.6;95%信頼区間;1.2〜10.4)。

・この研究によれば、入院時のLDH値が帝王切開をうけることになるCOVID-19妊娠女性において、感染重症度の早期かつ有力な予測因子であった。




# by anaesthetist | 2021-11-29 19:55 | COVID-19 | Comments(0)

・この研究の目的として、コロナウィルス疾患2019(COVID-19)肺炎において、腹臥位とリクルートメント手技に対する酸素化反応の根底にある機序を検証しようとした。

・25人のCOVID-19肺炎患者が、入院からの経過時間(1〜3週)はさまざまであるが、断層撮影(CT)肺スキャン・ガス交換・肺メカニクスの測定を、仰臥位と腹臥位で、5cmH₂O加圧時とリクルートメント手技中に(仰臥位、35cmH₂O)、おこなった。含気のない組織内で、我々は無気肺組織と浸潤組織を区別した(35cmH₂Oの気道内圧でリクルートメントされるものとリクルートメントされないもの)。腹臥位/リクルートメントに対する反応の陽性/陰性を、PaO₂/FiO₂の増加/減少と定義した。みせかけの還流比を、混合静脈血/非含気組織の割合として計算した。

・混合静脈血とPaO₂/FiO₂の比の平均値は仰臥位-5と腹臥位-5で同等であった。しかしながら、PaO₂/FiO₂は変化して(仰臥位から腹臥位で、患者の65%で増加し、35%で減少した)、これは背側の無気肺消失と腹側の無気肺形成とのバランスと相関した(p=0.002)。背側の浸潤組織がこのバランスに影響をあたえ、背側のリクルートメントと逆相関した(p=0012)。仰臥位-5から仰臥位-35にて、みせかけの還流比は1.38±0.71から2.15±1.15に増加した(p=0.004)一方、PaO₂/FiO₂比は患者の52%で増加し48%で減少した。反応がなかったものは浸潤組織の割合が0.27±0.1で、反応のあった集団では0.18±0.1であった(p=0.04)。浸潤組織・PaCO₂・呼吸器系エラスタンスは、遅くに評価された患者の方がより高く(すべて、p<0.05)、これは肺がすべてにおいて時間とともに『線維化様』変化していることを示唆している。

・湿潤組織の量は第3週に評価された患者でより多く、腹臥位とリクルートメント手技後の酸素化反応に影響をあたえた。




# by anaesthetist | 2021-11-28 19:23 | COVID-19 | Comments(0)