人気ブログランキング | 話題のタグを見る

・研究の目的として、心臓手術後3〜4年における、せん妄がDELIPRECAS研究で対象となった患者の身体機能と認知機能におよぼす影響を生活の質に加えて評価しようとした。

・研究デザインは前向き観察研究であった。

・研究の場として、認知機能と身体機能を退院から心臓手術後3年の現在で評価した。

・患者は心臓手術をうけた313人の連続した患者で18歳以上とした。

・主要評価項目は心臓手術後3年における患者の認知機能と身体機能とし、電話インタビューで評価し、それと心臓手術後で集中治療室滞在中に集中治療室のためのせん妄評価法(CAM-ICU)で診断されたせん妄がおよぼした可能性のある影響、とした。

・術後せん妄が独立したリスクファクターとして作用した長期的な影響として、記憶障害(OR 6.11、95% CI 2.54〜14.68、p<0.001)・集中力(OR 11.20、95% CI 3.58〜35.09、p>0.001)・混迷/失見当(OR 10.93、95% CI 3.61〜33.12、p>0.001)・睡眠障害(OR 5.21、95% CI 0.29〜11.84、p<0.001)・悪夢(OR 8.99、95% CI 1.98〜40.90、p=0.004)・感情問題(OR 4.30、95% CI 1.87〜9.91、p=0.001)・退院後歩行困難(OR 2.436、95% CI 1.06〜5.61、p=0.037)、があげられた。再入院の数も心臓手術後にせん妄を発症した患者で有意に多かった(27% vs 13.8%、p=0.022)。

・術後せん妄は心臓手術後3年の患者で生活の質が低下するリスクファクターで、大きな認知機能や身体機能の低下に加えて大きな再入院リスクと関連した。そのため、心臓手術後の患者における長期的転帰を向上させるために、せん妄の予防・早期認識・治療のどれも強調すべきであろう。

# by anaesthetist | 2022-12-07 19:19 | せん妄・認知機能 | Comments(0)

・ロボット補助下腎部分切除術(RAPN)はこれまで入院患者として施行されてきた;しかしながら最近の研究によれば、RAPN後の同日退院(SDD)が実行できるといわれている。我々の目的として、RAPNに対するSDDの安全性と費用対効果を評価しようとした。

・後向き解析をおこなった患者はRAPNを2015年1月から2021年7月にうけた。SDDプロトコルを導入する前後での比較を、麻酔後回復室(PACU)滞在時間・入院日数(LOS)・30日再入院率・30日救急部(ED)受診率・想定外の外来受診・2回目手術の必要性、といった差で評価した。費用対効果モデルをつくり、SDDと入院患者でのRAPNの費用の差を推測した。

・合計で192人の患者がRAPNをうけ、74人がSDDで118人が術後入院した。SDDプロトコル導入後、PACUから退院となる患者の割合が0%から76%へと増加した。SDDの安全性は入院群と同等で、再入院率(1.4% vs 5.1%、p=0.18)やED受診率(5.4% vs 9.3%、p=0.33)に差はなかった。入院患者でのRAPNとくらべてSDDはPACUでの滞在時間延長(375 vs 251分、p<0.001)と関連し、患者あたり1.622ドルの追加費用となった。SDDの患者は1回以上におよぶ想定外の外来受診となる可能性が高かった(17.6% vs 6.8%、p=0.02)。全体として、SDDの全費用は入院患者でのRAPNよりも有意に低かった(患者あたり5,222ドル vs. 8,425ドル、p<0.001)。

・より短い術後モニタリング期間にもかかわらず、SDDは安全で、同等の再入院率・ED受診率・二回目手術であるようだ。RAPNに対するSDDは患者あたりおよそ3,000ドルの節約となる。SDDプロトコル導入により医師らはPACU必要性が増加することを認識すべきで、進んで外来受診による追加のサポートを提供するといいだろう。

# by anaesthetist | 2022-12-06 19:19 | ロボット手術 | Comments(0)

・乳癌は世界的に健康の関心事であり、手術による切除が大半の患者で好ましい治療選択肢のままである。その上で、本研究では乳癌患者の無病生存期間と全般的生存期間を手術中にプロポフォールかイソフルランを投与されたかで検証しようとした。

・この後向き研究は994人の患者(IV群、n=530人;揮発性/吸入群、n=464人)でおこなわれ、乳癌手術を2006年1月から2016年12月にイランのシーラーズにあるファイヒ病院でうけた。研究された患者は全員が2020年までフォローされた。患者は2群に、IVと揮発性/吸入で投与された麻酔によって分類された。統計学的分析ではコックス回帰検定をおこなって疾患の再発に影響をおよぼす因子間での関連性を検証し、ログランク検定を使って患者生存期間を評価した。最終的に交絡因子の影響を減らすために、患者全員が年齢・腫瘍サイズ・腫瘍グレードによってマッチングされた。

・ログランク検定の所見によれば、揮発性/吸入群の方が全IV群とくらべて良好な無再発生存期間となった(P=0.039)。しかしながら、全般的生存期間はたいして差はなかった(P=0.520)。

・本研究によれば、2年無病生存期間は揮発性/吸入群の方がより長かったが、5年全般的生存期間と麻酔法に有意な関連性はなかった。

# by anaesthetist | 2022-12-05 18:45 | 悪性腫瘍 | Comments(0)

・待機的帝王切開(CS)はたいてい脊髄くも膜下麻酔(SA)でおこなわれ、局所麻酔薬(LA)の使用が必要になり、補助薬と併用されることが多い。我々は系統的レビューとメタ分析をおこなって、CSのSAにおけるα-2アゴニストの強みをフェンタニルと比較して検証しようとした。

・PubMedとEMBASEを無作為化比較試験(RCTs)を対象にふるいにかけた。連続転帰に対しては平均差(MD)を、二分転帰に対しては相対リスクを計算し、ランダム効果モデルを95%信頼区間(CI)とともに使用した。試験逐次解析(TSA)をαリスクが5%と想定しておこなった。主要評価項目は最初のレスキュー鎮痛薬までの時間とした。

・8つのRCTsが対象となった。最初のレスキュー鎮痛薬までの時間はα-2アゴニストが使用された場合に有意に長くなった(MD 85.9分[95% CI:23.8、147.9];P=0.007)。感覚ブロックの持続時間もまたα-2群でより長くなった(MD 40.5[95% CI:20.21、60.7];P<0.0001)が、感覚ブロックのオンセットや運動ブロックのオンセットと持続時間に差はなかった。シバリングや嘔気嘔吐の頻度はα-2アゴニスト群で有意に小さくなった一方、低血圧や呼吸抑制のリスクに差はなかった。主要評価項目に対するTSAによれば、結論をだすにはさらなる研究が必要とされた。

・α-2アゴニストはフェンタニルとくらべてCS患者のLAへの補助薬として使用されると、最初のレスキュー鎮痛薬までの時間を増加して感覚ブロックの持続時間を延長させるようである。また、α-2アゴニストはシバリングや嘔気嘔吐の頻度を減少させる可能性がある。




# by anaesthetist | 2022-12-04 19:31 | 帝王切開 | Comments(0)

・ポイントオブケア超音波は血行動態不安定状況の迅速な診断に対するかけがえのないツールとして麻酔科医に広く採り入れられており、手技の安全性を確保したり治療反応性をモニターしている。ますます利用可能で入手しやすく携帯性があがり患者転帰の向上に関するエビデンスがでてきており、ポイントオブケア超音波は緊急時の貴重なツールになっている。この最新のレビューではポイントオブケア超音波臨床の妥当性や技能のトレーニング・維持について詳述する。また麻酔科医によるポイントオブケア超音波の多くの使用例や、見分けのついてないショック;低酸素血症;外傷を含めた麻酔科的緊急時における最も遭遇しやすいポイントオブケア超音波像も描写する。手技の安全性も関連する重要な管理の観点に加えて議論する。心機能の評価は傍胸骨長軸像・傍胸骨短軸像の基底部/乳頭筋中部/心尖部・心尖四腔像・肋骨下四腔像を使用すべきで、全般的な左室駆出率の視覚評価を含めるべきである。他の心血管状態でポイントオブケア超音波により同定できるものは以下の通りである:心膜液貯留;心タンポナーデ;肺塞栓。肺の緊急事態でポイントオブケア超音波により診断できるものは以下の通りである:気胸;胸水;肺間質性症候群。拡大外傷超音波集中評価(EFAST)検査は低血圧の患者で腹腔内出血・気胸・血胸を同定するのに価値があるだろう。




# by anaesthetist | 2022-12-03 19:01 | POCUS | Comments(0)