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・目的として、母体妊娠前の体格指数(BMI)における最近の傾向を検証し、そのBMIと出産転帰や母体転帰との関連性を数値化しようとした。

・集団ベースの後向きコホート研究で対象としたのは、居住している単胎妊娠で2007年から2016年のカリフォルニア出産統計マスターファイル(BSMF)データベースからの女性とした。このデータベースに登録された5,054,968人の女性のうち、4,621,082人の女性が対象となった。433,886人の女性(8.6%)がBMIに関して対象とならないか、情報が欠けているために除外された。曝露としては妊娠のはじめで、標準体重未満(BMI<18.5kg/m²)・標準体重(18.5〜24.9kg/m²)・過体重(25.0〜29.9kg/m²)・肥満(≧30.0kg/m²)、とした。肥満はさらに下位分類として、クラスI(30.0〜34.9kg/m²)・クラスII(35.0〜39.9kg/m²)・クラスIII(≧40.0kg/m²)と分けて、一方で検証した有害転帰として、低出生体重(LBW)・極低出生体重(VLBW)・巨大児出生・早産(PTB)・極早産(VPTB)・在胎過小出生(SGA)・在胎過大出生(LGA)・帝王切開(CD)、とした。記述統計・単回線形回帰分析・多変量ロジスティック回帰分析をおこない、関連性に関して95%信頼区間(CIs)をともなった調整オッズ比(AORs)で評価した。

・10年の研究期間を通して、出産時に標準体重未満と標準体重の女性の比率はそれぞれ、10.6%と9.7%の減少となり、一方で過体重と肥満の比率はそれぞれ、4.3%と22.9%の増加となった。VLBWはBMIの増加とともに有意に増えて、2007年から2016年にかけて過体重の女性では24%とクラスIIIの肥満女性では76%が増えた。クラスIIIの肥満女性ではまた、巨大児出生が有意に増えて(170%)、正常なBMI女性よりも、PTB(33%)・VPTB(66%)・LGA(231%)・CD(208%)で出産する可能性が高かった。しかしながら、肥満女性はSGA新生児を出生する可能性は低かった;標準体重未満の女性は、正常なBMI女性よりも、SGA新生時を出生する可能性が51%高かった。

・2007年から2016年のカリフォルニア州では、妊娠前で正常な体重の女性が減少傾向であり、過体重と肥満の女性、特にクラスIIIの肥満女性が増加傾向であった。妊娠前BMIの両極端で有害な新生児転帰の頻度増加と関連した;しかしながら、より不良な転帰は肥満に分類された女性で多い傾向であった。




# by anaesthetist | 2019-09-22 19:55 | 帝王切開 | Comments(0)

・周術期脳卒中は重大な合併症罹患や死亡と関連するが、患者はそのリスクに気付いておらず適切なカウンセリングをうけていない可能性がある。我々の目的として、1)脳卒中の患者が認識しているリスクと計算されたリスクを比較し;2)不安度を検証し;3)非心臓手術や非脳外科手術を待機的にうける患者での周術期脳卒中リスクについて前もっておこなった議論を評価した。

・連続した4週にわたり、調査が2つの術前外来で非心臓手術や非脳外科手術を予定された成人患者に対しておこなわれた。調査に含まれた質問には、患者背景・周術期脳卒中リスクファクター・患者の量的および質的な脳卒中リスク認識・脳卒中への不安度・リスクへの話し合い、が含まれた。中等度と高度なリスク患者で過小評価されているリスクの独立した予測因子を同定した。

・600人の患者がこの調査を完了した(反応率 78%)。このうち、479人・104人・15人の患者がそれぞれ、低度・中等度・高度なリスクと分類された(2人の患者がこの時点でのデータを喪失した)。大半の中等度リスク患者(86%)と高度なリスク患者(80%)が彼らの上昇したリスクを同定していなかった。中等度リスク患者と高度なリスク患者の中で、過小評価されていたリスクの独立した予測因子は低い教育レベルと腎疾患をもっていないことであった。中等度リスク患者と高度なリスク患者は周術期脳卒中に対して低度なリスク患者よりも不安が強かった(視覚アナログスケールの中央値[四分位範囲] 2[0.5〜4] vs 1[0〜2]、P=0.001)。周術期脳卒中に関して前もって話し合いをしていたのは患者の半数未満であった(高度・中等度・低度なリスク患者でそれぞれ、40%・23%・12%)。

・高度な脳卒中リスク患者は、周術期脳卒中リスクを過小評価していることがよくある。患者の大半は、術前外来前に周術期脳卒中について話し合いをしていなかった。

# by anaesthetist | 2019-09-21 23:08 | 合併症 | Comments(0)

・移植の虚血再灌流に対する腎保護(REPAIR)RCTでは、遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)が生体ドナー腎移植後の腎機能を向上させるかどうかを検証した。主要評価項目である、12ヶ月にイオヘキソールで定量された糸球体濾過率(GFR)によれば、RIPCが長期的に良好な転帰をもたらす可能性がある。ここでは、移植後5年までの推定GFRの毎年のフォローアップデータを提示する。

・この二重盲検要因RCTで対象としたのは、406組の成人生体ドナー腎移植のドナー・レシピエントで、15の欧州にある移植センターでおこなわれた。RIPCは麻酔導入前におこなわれた。RIPCの内容は、収縮期BPよりも40mmHg高い圧まで上腕カフを5分間膨張させ、5分のカフ脱気をおいて4回おこなった。みせかけのRIPCでは、40mmHgのカフ膨張をおこなわなかった。ドナー・レシピエントの組は、みせかけのRIPC・早期RIPCのみ(術直前)・晩期RIPCのみ(術前24時間)・ダブルのRIPC(早期と晩期のRIPC)に、無作為化された。あらかじめ特定した推定GFR(eGFR)の副次評価項目は、慢性腎疾患疫学共同研究方程式(CKD-EPI)を使って、血清クレアチニン測定値から計算した。あらかじめ定義した安全性評価項目は、死亡と移植腎喪失、とした。

・早期RIPC後のeGFRに、3ヶ月から5年での対象群とくらべて、持続的な向上がみられた(調整平均差:4.71ml/分/(1.73m)²[95%信頼区間、CI:1.54〜7.89];P=0.004)。死亡と移植腎喪失は群間で同等であった(RIPC:20/205[9.8%] vs 対象:24/201[11.9%];ハザード比:0.79[95% CI:0.43〜1.43])。


# by anaesthetist | 2019-09-20 21:31 | 腎障害 | Comments(0)

・大量出血している大きな外傷では、新鮮凍結血漿(FFP)と赤血球(RBC)の高い比率が死亡率や合併症罹患率の向上と関連している。後方脊椎固定術(PSF)をうける神経筋原性側彎症患者という集団では、相当量の出血、つまり3時間で循環血液量の半分ほどの出血量となることが多い。この後向きコホート研究では、この待機的手術患者においてFFP比率と出血量の関連性を検証した。

・ロッド固定によるPSFをうける神経筋原性側彎症患者が麻酔症例データベースから同定された。これらの患者を2群に分けた:低いFFP群はFFP/RBC≦0.5で投与され、高いFFP群はFFP/RBC>0.5で投与された。単変量解析による偽発見率を調整後、ロジスティックス線形回帰分析をおこなって、出血量増加と関連する有意に寄与する因子を解釈しようとした。

・リスク推定によれば、低いFFP群の患者は循環血液量の120%を出血する可能性が高かった(オッズ比、3.87;95%信頼区間、2.03〜7.38)。線形回帰分析によれば、FFP/RBC比率のひと単位の増加は、出血量が27.5%平均で減少することと関連した(95%信頼区間、-43.12〜11.89)。

・この後向き研究により、FFP/RBC比率がPSFをうける複雑な脊椎疾患患者集団における出血の独立した重大な予測因子であることが分かった。したがって、後方脊椎固定術をうける神経筋原性側彎症患者において、高いFFP/RBC比率を使用することは出血を減少させる可能性がある。




# by anaesthetist | 2019-09-19 18:57 | 輸液・輸血 | Comments(0)

・目的として、先制鎮痛が股関節骨折の高齢患者における術後せん妄(PD)を減少させる有効な方法であるかどうかを評価した。

・これは二重盲検無作為化臨床試験である。90人の高齢患者が、中国西安市の西安交通大学の赤十字病院で2018年3月から2019年1月に股関節骨折手術を予定され、2群に分けられた。救急部に到着時、実験群(n=44)は術前鎮痛として超音波ガイド下持続腸骨筋膜下ブロック(FICB)をうけ、一方の対象群(n=46)はみせかけの持続FICBをうけた。患者は全員、脊髄くも膜下麻酔で、術後は患者管理硬膜外鎮痛(PCEA)をうけた。我々は2群間で、術前と術後の疼痛スコア・PDの頻度・オピオイド消費量を比較した。

・5人の患者が参加基準を満たさなかった;そのため85人がこの研究の対象となった。実験群の患者は術前の疼痛が小さかった(p<0.05)。2群間で、術後疼痛スコアに優位差はなかった。PDの頻度は実験群で小さかった(13.9% vs 35.7%、p=0.018)。加えて、術前において、フェンタニル消費量の減少が実験群でみられた(0.08±0.21 vs 0.28±0.13、p=0.037)。


# by anaesthetist | 2019-09-18 21:09 | 末梢神経ブロック | Comments(0)