・200万回の輸血が毎年スペインではおこなわれている。このため保険制度は経済的に高負担となり、罹患率や死亡率が増えてしまう。ヘモグロビン濃度をもとめるには観血的で間欠的におこなう方法があるが、その結果をえるには時間がかかる。この方法の欠点として、不必要な輸血となることがある。新しい持続的非侵襲的なヘモグロビン測定法により不必要な輸血を回避できる可能性がある。

・前向き研究を既存対照的に2つの同種な群でおこなった。対照群は従来からのヘモグロビン測定法を用いた。実験群は新しい持続的ヘモグロビン想定法を用いた。その差分析は両群の輸血単位量を比較しておこなった。経済的節約の計算は輸血費用と輸血された単位数の差を掛けあわせておこない、測定費用を考慮した。

・輸血が必要となった患者の割合は7.4%減少し、患者あたりの輸血単位数は12.56%減少した。患者あたりの経済的節約費用は20.59ユーロであった。全国レベルで考えると、節約は13500輸血数(173.6万ユーロ)と推定された。

・ヘモグロビン値の持続的なモニタリングで輸血必要性が有意に減少した。この新しい測定法を使うことにより、保健当局は有意に費用を削減し保健の質を向上させることができるだろう。

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# by anaesthetist | 2018-05-23 22:21 | 輸液・輸血 | Comments(0)

・脊柱起立筋ブロックは2016年にはじめた報告された超音波ガイド下筋膜面ブロックである。この献体による染料注入と解剖研究の目的として、脊柱起立筋ブロックをシミュレーションすることで染料が前方へ脊髄神経の前枝と後枝の起始部まで広がるかどうかを調べた。

・10体の防腐処理をしていないヒト献体にて、0.25%メチレンブルー染料20mLを第5胸椎横突起と脊柱起立筋の間にある膜へ両側に注入した。平行法による超音波ガイド下でトランスデューサを矢状方向へ置いておこなった。解剖する際は、表在と深部の筋肉面を同定し、染料の広がりを頭尾方向と内外側方向で記録した。それぞれの椎体レベルで脊髄神経の前枝と後枝や後根神経節が染料に染まっているかどうかを調べた。

・広範囲にわたる染料の広がりが頭尾方向や内外側方向へ、脊柱起立筋膜面の表在と深部でみられた。(20のうちの)1つの注入を除いて、前枝は染料に染まらなかった。わずか2つの注入のみで、染料が肋横突孔を通じて後方まで後根神経節へ到達した。他の注入で後根神経節は染料注入で染まらなかった。染料は肋横突孔の後方に位置する後枝を染めた。

・胸部脊髄神経の前枝や後枝の起始部を含めた傍脊椎腔の前方への染料広がりはなかった。後枝を染めたのは肋横突孔の後方に位置するところであった。




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# by anaesthetist | 2018-05-22 23:20 | 末梢神経ブロック | Comments(0)

・静脈区域麻酔(IVRA)は四肢の区域麻酔を提供するのに単純な効果的な方法である。しかしながら、術後鎮痛に欠けているといった制限がいくつかある。

・この研究の目的として、上肢手術のIVRAにリドカインを用いて追加の薬剤として、硫酸マグネシウムとトラマドールの鎮痛効果を比較した。

・この二重盲検無作為化臨床試験では、69人の患者が待機的上肢手術をIVRAをうけて、無作為に3つの群へ割りつけた。A群の患者は0.5%リドカインとトラマドール100mgでIVRAをうけ、B群では0.5%リドカインと硫酸マグネシウム1.5gでIVRAをうけ、C群では0.5%リドカインと生理食塩水でIVRAをうけた。感覚ブロックのオンセットと術後鎮痛による疼痛強度の期間をそれぞれの患者で記録した。さらに、術後嘔気嘔吐・呼吸抑制・皮膚発疹の頻度も記録した。

・術後鎮痛の期間は他群よりもトラマドール群でより長かった(P=0.01)。また、モルヒネの総消費量はA群・B群・C群でそれぞれ、8.91±5.81・11.95±4.81・16.72±4.07mgで、他群とくらべてトラマドール群で有意に少なかった(P=0.01)。

・IVRAのリドカイン補助薬剤としてトラマドールを加えると、硫酸マグネシウムとくらべてオピオイド関連副作用を増やすことなく、術後鎮痛期間が延長して鎮痛消費量を減少させる。




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# by anaesthetist | 2018-05-21 23:03 | 薬剤・麻薬 | Comments(0)

・周術期のオピオイド使用は食道扁平上皮癌患者の低い生存率と関連する。西側諸国で最もよくみる食道癌の組織型は腺癌である。この研究の目的として、術中のオピオイド消費量と食道の腺癌や扁平上皮癌の患者生存率の関連性を評価した。

・食道癌手術を2000年1月から2017年1月までにうけた患者の診療録をレビューした。比較をおこなったのは、術中のオピオイド使用量が高用量と低容量である患者間でおこなった。群間は再帰分割法で二分した。多変量コックス比例ハザードモデルを用いて、術中のオピオイド使用が無再発生存期間(RFS)や全生存期間(OS)におよぼす影響を調べた。

・食道扁平上皮癌患者に対して単変量分析によれば、オピオイド低容量(フェンタニル等価量で710μg未満)は短いRFS(P= .009)やOS(P= .002)と有意に関連した。年齢・腫瘍ステージ・補助化学療法で調整後の多変量分析によれば、術中のフェンタニル等価量がより高用量であることと良好なRFSに有意な関連性がみられた(P= .002;ハザード比[HR]、0.376;95%信頼区間[CI]、0.201〜0.704)。同様に、術中にフェンタニル等価量で高用量を投与すると、OSが向上することと関連した(P= .002;HR、0.346;95% CI、0.177〜0.676)。腺癌の集団では、術中オピオイド使用量とRFS(P= .15)やOS(P= .36)の関連性は単変量分析では有意でなかった。年齢・体格指数・腫瘍ステージ・術前化学療法・補助化学療法で調整後の多変量分析によれば、術中フェンタニル等価量とRFSで有意な関連性をもつ傾向がみられた(P= .0866;HR、0.806;95% CI、0.629〜1.032)。術中フェンタニル等価量とOSの関連性は有意でなかった(P= .51)。

・この研究の結果によれば、食道扁平上皮癌患者において、術中オピオイド使用量は再発やOSと関連した。食道腺癌患者では、術中オピオイド使用量とRFSの関連性は有意な傾向であった。これからの研究でこうした所見が確定するまで、オピオイドは食道癌患者のバランス麻酔において主要な要素でありつづけるだろう。

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# by anaesthetist | 2018-05-20 20:29 | 悪性腫瘍 | Comments(0)

・この研究の目的として、股関節骨折(HF)後の1年死亡を予測する患者特性を調べた。

・ひとつの大学病院にある共同管理した高齢者整形外科ユニットに虚弱性HFで1年の間で連続して入院したすべての患者(FONDAコホート)を評価した。ベースラインと入院時の患者背景や臨床的・機能的・分析的・身体構成に関わる変数を入院後最初の72時間で集めた。HFの経過転帰を良好にするよう計画されたプロトコルを適用した。骨折後1年で、患者か看護する人と電話連絡をとり、生活状況を確認した。

・平均年齢85.6歳の、合計509人の患者が含まれた。1年死亡率は23.2%であった。最終的な多変量モデルには8つの独立した死亡リスクファクターが含まれた:85歳以上の年齢・基本的ADLのベースラインでの低下・低い体格指数・認知機能障害・心臓疾患・弱い握力・入院時の貧血・ビタミンD欠乏と関連した二次性副甲状腺機能亢進症。こうしたリスクファクターの複数と関連すると死亡リスクが大きく上昇し、4〜5のリスクファクターをもつ患者でオッズ比(95%信頼区間[CI])が5.372(3.227〜8.806)、6つ以上のリスクファクターでOR(95% CI)で11.097であった。

・これまでに知られていたリスクファクター(年齢・基本的ADL低下・認知機能障害・低栄養・入院時貧血)に加えて、筋力やビタミンD欠乏関連副甲状腺機能亢進症といった他のリスクファクターが、HF後の1年死亡率上昇と関連した。

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# by anaesthetist | 2018-05-19 22:56 | 外科医・手術 | Comments(0)