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腹部正中切開後における腹直筋鞘ブロック鎮痛の3つの方法の有効性と安全性を調べた前向き無作為化非盲検比較研究

・腹直筋鞘ブロック(RSB)の有効性に関しては議論がある。この研究の目的として、腹部正中切開後の術後疼痛管理においてRSBの3つの方法の鎮痛の有効性と安全性を評価した。

・前向き無作為化比較非盲検臨床研究で4つの群間比較をフィンランドの3次病院でおこなった。合計57人の患者が腹部正中切開をうけて、対照群(n=12)か、RSBを積極的におこなった3つの鎮痛群のうち1つに、無作為に振りわけた:単回投与(n=16)・頻回投与(n=12)・持続注入(n=17)。静注の患者管理鎮痛ポンプでのオピオイド消費量を記録し、疼痛スコアと患者満足度を術後最初の48時間にわたり11段階の数値的評価スケールで調べた。オキシコドンとレボブピバカインの血漿濃度が分析された。入院中の有害事象すべてが記録された。

・オキシコドンの消費量は最初12時間の、頻回投与群と持続注入群でより少なく(P= .07)、頻回投与群では48時間まで数値的にも少なかった。血漿オキシコドン濃度は4群で同等であった。疼痛スコアが頻回投与群で低かったのが、最初4時間での咳嗽時(対照群とくらべて、P= .048)と、術後最初の朝の安静時(他の3群とくらべて、P= .034)と、24時間であった(単回投与群とくらべて、P= .006)。レボブピバカインの血漿濃度はすべて安全域であった。患者満足度は対照群とくらべて、頻回投与群で良好だった(P= .025)。重大であったり予期しない有害事象は報告されなかった。

・頻回投与によるRSB鎮痛法はオピオイドを控えながら有効性を示し、腹部正中切開後の疼痛緩和と患者満足度を向上させる可能性がある。

by anaesthetist | 2018-03-07 23:18 | 末梢神経ブロック | Comments(0)