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頻回の乳酸値がクリアランス率より死亡率を予測する

乳酸クリアランスは外傷における蘇生マーカーとして使われてきたが、さまざまなクリアランス計算値の予測力を比較した研究はない。我々の目的として、どの乳酸クリアランスの計算法が外傷後24時間と入院中の死亡率を最も的確に予測するかを調べた。

・後向きに診療力をレビューした患者は、2010年から2013年に外傷現場から直接、レベル1の外傷センターに入院し、15分以上生存して入院時に乳酸値上昇して(≧3mmol/L)、入院24時間以内に乳酸値を再測定した患者であった。乳酸クリアランスの計算は5つのモデルを使った:頻回に測定した乳酸レベルの実際値・絶対クリアランス・相対クリアランス・絶対クリアランス率・相対クリアランス率。モデルの比較は、24時間と入院中の死亡率を評価項目とした、それぞれの受信者操作曲線下面積(AUCs)を用いた。

・3910人の患者が入院時に乳酸濃度上昇をしており(平均値=5.6±3.0mmol/L)、引き続いて測定をされた(2.7±1.8mmol/L)。頻回の絶対クリアランスが24時間死亡(AUC=0.85、95% CI:0.84〜0.86)と入院中死亡(AUC=0.77、95% CI:0.76〜0.78)を最も的確に予測した。相対クリアランスが乳酸クリアランスの最良のものだった(それぞれ、AUC=0.77、95% CI:0.75〜0.78とAUC=0.705、95% CI:0.69〜0.72)(お互いに対してp<0.0001)。感度分析を初期乳酸値の範囲でおこったところ、同様の結果であった。


by anaesthetist | 2018-03-18 23:58 | 外傷 | Comments(0)