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緊急帝王切開における手術室入室から皮膚切開までの時間と新生児転帰:後向き5年コホート研究

・5年後向きコホート研究を帝王切開をうけた女性におこなって、手術室入室から皮膚切開までの時間に影響する因子を調べた。時間事象分析をカテゴリー1の帝王切開におこなって、コックス比例ハザード回帰モデルを用いた。共変数には以下を含めた:麻酔方法;体格指数;年齢;出産回数;分娩までの時間;妊娠週数。二項ロジスティック回帰分析を5分アプガースコア≧7に対しておこなった。677人の女性がカテゴリー1の帝王切開をうけ、研究算入基準を満たした。手術室入室から皮膚切開までの時間で調整していない中央値(IQR[範囲])は以下の通りであった:硬膜外追加投与 11(7〜17[0〜87])分;全身麻酔 6(4〜11[0〜69])分;脊髄くも膜下 13(10〜20[0〜83])分;脊髄くも膜下硬膜外併用 24(13〜35[0〜75])分。コックス回帰分析によれば、全身麻酔が最速の方法でハザード比(95%CI)が1.97(1.60〜2.44;p<0.0001)、続いて硬膜外追加投与(準拠群)、脊髄くも膜下が0.79(0.65〜0.96;p=0.02)、脊髄くも膜下硬膜外併用で0.48(0.35〜0.67;p<0.0001)、となった。低体重と過体重の体格指数が手術室入室から皮膚切開までの時間延長と関連した。全身麻酔が5分アプガースコア≧7とならないことと関連し、そのオッズ比(95%CI)は0.28(0.11〜0.68;p<0.01)であった。手術室入室から皮膚切開までの時間で第1五分位数と第5五分位数の間で、新生児転帰に差異はなかった。全身麻酔はカテゴリー1の帝王切開に対して手術室入室から皮膚切開までの時間が最速であることと関連したが、短期新生児転帰の悪化とも関連した。手術室入室から皮膚切開までの時間延長は新生児転帰悪化と関連しなかった。




by anaesthetist | 2018-04-15 22:46 | 帝王切開 | Comments(0)