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オンダンセトロンは疼痛管理のため慢性的にオピオイドを内服している患者の身体依存を予防しない

・この研究で我々が調べたのは、慢性疼痛治療でオピオイドを内服している患者において、モルヒネにオンダンセトロンを併用投与することについてと、それにより身体依存の発生を予防できるかどうか、であった。

・合計48人の慢性腰痛患者(N=48)がこの二重盲検プラシーボ比較無作為化研究に参加した。患者は徐放性経口モルヒネで容量調節され、30日の容量調節中にモルヒネと併用して1日3回オンダンセトロン8mgかプラシーボを内服するよう無作為化された。容量調節後、患者にナロキソンによるオピオイド離脱をおこなった。オピオイド離脱徴候・症状の評価は、盲検された研究助手(客観的オピオイド離脱スコア:OOWS)と研究参加者(主観的オピオイド離脱スコア:SOWS)によりおこなった。

・我々の観察によれば、臨床的に有意なナロキソンによるオピオイド離脱徴候が参加者全員にみられた(ΔOOWS=4.3±2.4、p<0.0001;ΔSOWS=14.1±11.7、p<0.0001)が、離脱スコアの有意な差違は治療の有無で群間にみられなかった。

・仮説として、オンダンセトロンはオピオイドと併用投与すると、ヒトでの身体依存発生を予防すると考えたが、オンダンセトロン群とプラシーボ群でナロキソンによるオピオイド離脱スコアに差異はみられなかった。こうした結果から、さらなる研究によりセロトニン受容体拮抗薬がオピオイド身体依存を予防するのに役立つかどうかを調べる必要がある、といえる。




by anaesthetist | 2018-04-19 21:20 | 薬剤・麻薬 | Comments(0)