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日中と時間外の手術と関連した患者転帰:メタ分析

・さまざまな専門分化領域で手術のタイミングが患者転帰に影響をおよぼすことが調べられているが、エビデンスが確定するにはいたっていない。

・目的として、この話題に関する現在の文献を分析し、日中と時間外の手術が術後転帰に影響をおよぼすかどうかを調査した。

・対象としたデータベースは、MEDLINE・EMBASE・Cochrane Libraryとした。

・研究対象基準として、術後の死亡と合併症罹患のみならず手術タイミングに関して報告された研究を含めた。

・対象となったのは、日中と時間外のシフトでおこなわれた手術症例はそれぞれ、119,213例と46,196例であった。

・13の研究(12の後向きケースコントロール研究と1つの前向き研究)が2003年2月から2018年5月に英語で発表されて、2人のレビューアーに詳細に調べられた。それぞれの臨床転帰データのオッズ比(OR)は95%信頼区間(CI)で提示された。統合効果推定値はランダム効果モデルで計算された。

・対象となった研究のなかで、10の研究で合併症罹患が報告され、10の研究で死亡率が報告された。統合ORは日中と時間外の手術をうけた患者において、術後死亡で0.67(95% CI:0.51〜0.89;p=0.005)、全体の術後合併症で0.71(95% CI:0.53〜0.94;p=0.02)であった。

・時間外の手術は術後死亡と合併症罹患の増加に優位に関連しており、これは緊急度・医療資源の利用可能性・医療従事者の疲労因子と関連している可能性がある。




by anaesthetist | 2018-12-20 23:47 | 外科医・手術 | Comments(0)