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iPACKブロック注入液の広がり評価:献体研究

・超音波ガイド下による膝窩動脈と膝関節包の間隙への(iPACK)浸潤ブロックは新しい区域麻酔法で、膝関節全置換術後における膝後面の疼痛を膝関節の後面を神経支配する関節枝を目標とすることで軽減すると思われる。注入液の広がりの程度や影響をうける関節枝の数は今のところ不明である。この献体研究の目的として、近位と遠位での注入法の後に、染色液が広がる範囲と染色される関節枝の割合を比較した。

・超音波ガイド下iPACK注入(10mLのエチレンブルー染色溶液)を14の新鮮に防腐処理した献体でおこなった:7の献体は近位注入法(膝蓋骨上端より一横指)で、7の検体は遠位注入法で(大腿両顆の上端)でおこなった。注入後、解剖・デジタル化・3Dモデル化をおこなって染色液が広がった範囲を対応させて、神経が染まっている割合を検証した。

・どちらの注入法でも染色液が広がる平均的な範囲は同様であった。膝関節包後面を支配する関節枝のうち、閉鎖神経後枝の膝枝がすべての献体で染まった。近位注入により、内転筋腱裂孔を染色液が通って広がるため、上内側膝神経が染まる一方で、上外側膝神経と総腓骨神経の前枝が遠位注入により一貫して染まった。他の関節枝はさまざまな割合で染まった。

・近位と遠位でのiPACK注入法のどちらでも、膝窩領域での染色液の広がりは同等で、後面の関節包を支配する膝関節枝は染まった。近位注入により染色液はより前内側へ広がり、遠位注入ではより前外側へ広がった。さらなる臨床研究により、この献体研究でえた所見を確認する必要がある。

by anaesthetist | 2019-05-11 22:41 | 末梢神経ブロック | Comments(0)