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声門上気道器具の性能におよぼす頭頸部位の影響

・頭頸部位を変えると咽頭構造を変化させることで声門上気道器具(SADs)の性能に優位な影響をおよぼす可能性がある。

・この系統的レビューとメタ分析の目的として、SADsの性能におよぼす頭頸部位変化の影響を明確にしようとした。

・データ源は、PubMed・EMBASE・Cochrane Library・Web of Scienceを含めた雑誌データベースであった。

・対象とした研究は、前向き研究でSADsの性能におよぼす頭頸部位の影響を検証したもの、とした。

・ランダム効果モデルをすべての解析に用いた。サブグループ解析は、器具のタイプや患者の年齢に応じて、おこなった。口腔咽頭リーク圧を主要評価項目とした。副次評価項目には、最高吸入気圧・気管支ファイバー映像・換気スコア、を含めた(PROSPERO、CRD42017076971)。

・17の研究が算入基準を満たした。全体として、口腔咽頭リーク圧が優位に増加した(平均差 4.07cmH2O;95%信頼区間 3.30〜4.84)のは頸部屈曲位で、換気や気管支ファイバー映像に有害な影響をおよぼした。逆に、口腔咽頭リーク圧が減少した(平均差 -4.05;95%信頼区間 -4.90〜 -3.20)のは頸部伸展位で、換気や気管支ファイバー映像に優位な影響はおよぼさなかった。頭頸部の回旋はSADの性能に優位な影響をおよぼさなかった。

・頸部伸展位での口腔咽頭リーク圧の減少は、air-Q自己調整圧エアウェイを除いて、換気不全と関連しなかった。頸部屈曲位は、air-Q自己調整圧エアウェイとLMAプロシールを除いて、シールが向上しているにもかかわらず、換気やSADと声門との位置を優位に悪化させた。




by anaesthetist | 2019-05-13 03:51 | 声門上器具 | Comments(0)