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待機的帝王切開に対する超音波ガイド下経筋腰方形筋ブロックにより有意に術後オピオイド消費量を減少させて初回オピオイド要求までの時間を延長する:二重盲検無作為化試験

・待機的帝王切開(ECS)は中等度から高度の疼痛を引きおこし、オピオイド投与を必要とすることがよくある。母体の回復を高め、母子の相互作用を促進するためには、術後疼痛やオピオイド消費量を減少させることが重要である。さまざまな区域麻酔法を施行することで、ECS後の術後疼痛管理を向上させようとしてきた。この研究の目的として、ECS後の術後オピオイド消費量を減少させるにあたり両側の超音波ガイド下経筋腰方形筋(TQL)ブロックの有効性を検証した。

・無作為化二重盲検試験で割りつけを隠匿しておこない、72人の妊産婦が両側TQLブロックに0.375%ロピバカイン30mLか生理食塩水を投与された。TQLブロックが注入されたのは、腰方形筋と大腰筋の間にある筋膜面で、腹横筋膜面の後方にあたった。主要評価項目は、オピオイド消費量とし、電子的に記録された。疼痛スコアと初回オピオイド要求までの時間もまた、評価した。

・オピオイド消費量(経口モルヒネ当量、OME)は最初24時間において、ロピバカイン群(GRO)の方が生理食塩水群とくらべて、有意に減少し(65mg OME vs 94mg OME)、平均差は29mg OMEであった;95% CI 3〜55、p<0.03。初回オピオイド要求までの時間は、GROで有意に延長した、p<0.003。数値的評価尺度疼痛スコアは術後最初6時間においてGROで有意に低かった、p<0.03。

・両側TQLブロックにより、24時間オピオイド消費量が有意に減少した。さらに、初回オピオイド要求までの時間が有意に延長し、術後最初6時間での疼痛が有意に減少した。




by anaesthetist | 2019-07-21 22:47 | 末梢神経ブロック | Comments(0)