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術前神経ブロック施行中の音楽とミダゾラム:前向き無作為化比較研究

・音楽療法は非薬物学的介入で、実際上、害がなく、比較的安価で、術前の不安を有意に減少させることが示されてきた。この研究の目的として、超音波ガイド下単回投与末梢神経ブロックの施行にさきだつ術前抗不安で、音楽の使用とミダゾラムを比較した。

・この無作為化比較研究では、静注ミダゾラム(1〜2mg)の抗不安効果と、ノイズキャンセリングヘッドホンによる音楽療法を比較した。患者は全員、術前超音波ガイド下単回投与末梢神経ブロックを、主要な区域麻酔か術後鎮痛の適当として施行された。

・特性不安尺度-6(STAI-6)の不安スコアにおける手技前後の変化は両群で同等であった(音楽群 -1.6(SD 10.7);ミダゾラム群 -4.2(SD 11);p=0.14;群間平均差 -2.5(95% CI -5.9〜0.9)、p=0.1)。これらの手技による経験の患者満足度スコアはミダゾラム群で高かった(p=0.01);しかしながら、これらの手技による経験の医師満足度スコアは両群で差異はなかった(p=0.07)。意思疎通困難に対する認識は患者と医師の双方ともミダゾラム群よりも音楽群で高かった(それぞれ、p=0.005とp=0.0007)。

・音楽療法は、末梢区域麻酔にさきだつミダゾラム投与の代替手段として提供できる可能性がある。しかしながら、さらなる研究により、音楽の聞かせ方のみならず音楽の種類がミダゾラムよりも利点があって、意思疎通障壁にまさるものであるかどうかを評価していくことが必要だろう。

by anaesthetist | 2019-08-01 23:05 | 末梢神経ブロック | Comments(0)