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カナダにおける母体の年齢と重症の母体合併症や母体死亡との関連性

・この20年にわたり、多くの高所得国において母体の高齢化となる傾向がみられている。母体の年齢は、カナダにおいて母体のより大きな合併症や死亡がともなう可能性がある。

・目的として、患者や病院による因子で調整した後、カナダにおける母体の年齢と重症の母体合併症(SMM)や母体の死亡との関連性を検証した。

・全国集団ベースコホート研究で、対象は全ての出産前・出産間近・出産後の女性や青年女子で、カナダの急性期病院を2004年4月1日から2015年3月31日までに受診した。全ての解析は、2018年9月30日に終了した。

・曝露因子としては、出産時の母体の年齢とした。

・主要評価項目は、妊娠中や妊娠中絶後6週以内における重症の母体合併症や母体の死亡、とした。

・研究期間中、3162303の新しい妊娠(平均[SD]母体の年齢、29.5[5.6]歳)と、3533259の関連する入院がみられた。全研究期間において、54219症例のSMM(1000の分娩あたり、17.7例)がみられ、2004〜2005年から2014年〜2015年にかけて9.8%の相対的な増加であり、加えて、より高齢な母体の妊娠が増加傾向にある。SMMと関連した患者による独立した因子には以下のものが含まれた、母体併存合併症指標の高値;母体の年齢が19歳以下と30歳以上で、45歳以上だと最高リスク(母体の年齢が20〜24歳とくらべて、オッズ比[OR]、2.69;95% CI、2.34〜3.06);所得が5分位数で最低(五分位数で最高の所得とくらべて、OR、1.19;95% CI、1.14〜1.22)。SMMと関連した病院による因子には、特定の地方が含まれた。母体の死亡と関連した患者による独立した因子には以下のものが含まれた、母体併存合併症指標の高値、年齢が40〜44歳(年齢が20〜24歳とくらべて、OR、3.39;95% CI、1.68〜6.82)、年齢が45歳以上(年齢が20〜24歳とくらべて、OR、4.39;95% CI、1.01〜19.10)、所得が5分位数で最低(五分位数で最高の所得とくらべて、OR、4.14;95% CI、2.03〜8.50)。母体の死亡と関連した病院による因子には、病院での妊娠扱い数の最低が含まれた。

・カナダにおいて、母体の年齢とSMMはこの数十年にわたり増加している。この研究の結果から、住居の地域・母体の罹患合併症・住人所得の五分位数・母体の年齢、特に45歳以上ということが、SMMと母体の死亡と関連した。こうした所見は、前もって保護者・医療ケアチーム・公衆衛生的に計画を立てるのに適している。

by anaesthetist | 2019-08-28 23:23 | 妊娠合併症 | Comments(0)