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持続腸骨筋膜下ブロックによる先制鎮痛により股関節骨折の高齢患者における術後せん妄を減少させる:無作為化比較試験

・目的として、先制鎮痛が股関節骨折の高齢患者における術後せん妄(PD)を減少させる有効な方法であるかどうかを評価した。

・これは二重盲検無作為化臨床試験である。90人の高齢患者が、中国西安市の西安交通大学の赤十字病院で2018年3月から2019年1月に股関節骨折手術を予定され、2群に分けられた。救急部に到着時、実験群(n=44)は術前鎮痛として超音波ガイド下持続腸骨筋膜下ブロック(FICB)をうけ、一方の対象群(n=46)はみせかけの持続FICBをうけた。患者は全員、脊髄くも膜下麻酔で、術後は患者管理硬膜外鎮痛(PCEA)をうけた。我々は2群間で、術前と術後の疼痛スコア・PDの頻度・オピオイド消費量を比較した。

・5人の患者が参加基準を満たさなかった;そのため85人がこの研究の対象となった。実験群の患者は術前の疼痛が小さかった(p<0.05)。2群間で、術後疼痛スコアに優位差はなかった。PDの頻度は実験群で小さかった(13.9% vs 35.7%、p=0.018)。加えて、術前において、フェンタニル消費量の減少が実験群でみられた(0.08±0.21 vs 0.28±0.13、p=0.037)。


by anaesthetist | 2019-09-18 21:09 | 末梢神経ブロック | Comments(0)