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FFPとRBCの比率は後方脊椎固定術をうける神経筋原性側彎症患者での出血の独立した予測因子である

・大量出血している大きな外傷では、新鮮凍結血漿(FFP)と赤血球(RBC)の高い比率が死亡率や合併症罹患率の向上と関連している。後方脊椎固定術(PSF)をうける神経筋原性側彎症患者という集団では、相当量の出血、つまり3時間で循環血液量の半分ほどの出血量となることが多い。この後向きコホート研究では、この待機的手術患者においてFFP比率と出血量の関連性を検証した。

・ロッド固定によるPSFをうける神経筋原性側彎症患者が麻酔症例データベースから同定された。これらの患者を2群に分けた:低いFFP群はFFP/RBC≦0.5で投与され、高いFFP群はFFP/RBC>0.5で投与された。単変量解析による偽発見率を調整後、ロジスティックス線形回帰分析をおこなって、出血量増加と関連する有意に寄与する因子を解釈しようとした。

・リスク推定によれば、低いFFP群の患者は循環血液量の120%を出血する可能性が高かった(オッズ比、3.87;95%信頼区間、2.03〜7.38)。線形回帰分析によれば、FFP/RBC比率のひと単位の増加は、出血量が27.5%平均で減少することと関連した(95%信頼区間、-43.12〜11.89)。

・この後向き研究により、FFP/RBC比率がPSFをうける複雑な脊椎疾患患者集団における出血の独立した重大な予測因子であることが分かった。したがって、後方脊椎固定術をうける神経筋原性側彎症患者において、高いFFP/RBC比率を使用することは出血を減少させる可能性がある。




by anaesthetist | 2019-09-19 18:57 | 輸液・輸血 | Comments(0)