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周術期脳卒中に関する知識と認識:非脳外科手術や非心臓手術を予定された患者の横断調査

・周術期脳卒中は重大な合併症罹患や死亡と関連するが、患者はそのリスクに気付いておらず適切なカウンセリングをうけていない可能性がある。我々の目的として、1)脳卒中の患者が認識しているリスクと計算されたリスクを比較し;2)不安度を検証し;3)非心臓手術や非脳外科手術を待機的にうける患者での周術期脳卒中リスクについて前もっておこなった議論を評価した。

・連続した4週にわたり、調査が2つの術前外来で非心臓手術や非脳外科手術を予定された成人患者に対しておこなわれた。調査に含まれた質問には、患者背景・周術期脳卒中リスクファクター・患者の量的および質的な脳卒中リスク認識・脳卒中への不安度・リスクへの話し合い、が含まれた。中等度と高度なリスク患者で過小評価されているリスクの独立した予測因子を同定した。

・600人の患者がこの調査を完了した(反応率 78%)。このうち、479人・104人・15人の患者がそれぞれ、低度・中等度・高度なリスクと分類された(2人の患者がこの時点でのデータを喪失した)。大半の中等度リスク患者(86%)と高度なリスク患者(80%)が彼らの上昇したリスクを同定していなかった。中等度リスク患者と高度なリスク患者の中で、過小評価されていたリスクの独立した予測因子は低い教育レベルと腎疾患をもっていないことであった。中等度リスク患者と高度なリスク患者は周術期脳卒中に対して低度なリスク患者よりも不安が強かった(視覚アナログスケールの中央値[四分位範囲] 2[0.5〜4] vs 1[0〜2]、P=0.001)。周術期脳卒中に関して前もって話し合いをしていたのは患者の半数未満であった(高度・中等度・低度なリスク患者でそれぞれ、40%・23%・12%)。

・高度な脳卒中リスク患者は、周術期脳卒中リスクを過小評価していることがよくある。患者の大半は、術前外来前に周術期脳卒中について話し合いをしていなかった。

by anaesthetist | 2019-09-21 23:08 | 合併症 | Comments(0)