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超肥満妊産婦のL1-L2椎間以上に留置された偶発的区域麻酔ブロック:後向き研究

・増加する体格指数(BMI)により、区域麻酔手技の困難性が上昇する。我々の仮説として、それにより患者を偶発的な高位でのくも膜穿刺リスクにさらす、とした。麻酔科医による超肥満妊産婦での棘間レベル推定の正確性は研究されていない。我々は、BMI≧50kg/㎡の妊産婦において、高位に硬膜外あるいは髄腔内カテーテルを偶発的に留置された頻度(L1/L2椎間以上)を評価した。

・この後向き研究の算入基準は、BMI≧50kg/㎡で硬膜外か髄腔内カテーテルで帝王切開をした女性、とした。主要評価項目は、L1/L2以上に留置されたカテーテルの割合として、異物の写ったレントゲン写真で残されていたものを確認することで検証した。副次評価項目は、カテーテルの推定位置と実際の位置の一致と、超音波ガイド下で留置されたカテーテルのサブグループ解析、とした。

・カテーテル位置が検証できなかった15症例と挿入の推定レベルが記録されていなかった10症例を除外して、125症例が対象となった。偶発的に高位留置となったのは、26人/125人(21%、95%信頼区間(CI) 15%〜29%)の患者であった。カテーテルの推定位置と実際の位置が一致したものは少なかった(27%の正確性、非重み付けκ統計量 0.02)。超音波ガイド下で挿入された39のカテーテルのうち11(28%、95% CI 17%〜44%)がL1/L2以上で、それとくらべて超音波なしでカテーテルを留置されたものは15/86(17%、95% CI 11%〜27%)であった。神経学的合併症はなかった。


by anaesthetist | 2020-01-03 22:18 | 帝王切開 | Comments(0)