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伏臥位で換気された小児患者における術中無気肺におよぼす通常肺胞リクルーメントの影響:無作為化比較試験

・酸素飽和度低下が新生時において伏臥位での全身麻酔後によくおこる。我々の目的として、伏臥位での全身麻酔後の新生児や小児における無気肺を予防するのに通常肺胞リクルーメントの影響を評価しようとした。

・伏臥位での全身麻酔(>2時間)をうける小児(<3歳)を、通常肺胞リクルーメントかリクルーメントなし標準ケアに無作為化した。超音波ガイド下肺胞リクルーメントを両群でおこない、人工呼吸器設定を一回換気量6ml/kgとPEEP7cmH₂Oで開始した。人工呼吸器換気中、介入(通常リクルーメント)群は1時間あたり1回の肺胞リクルーメントをうけた。肺超音波を麻酔導入後と体位変換毎におこなった。主要評価項目は、抜管前の有意な無気肺の頻度(どの肺区域でもコンソリデーションスコア≧2と定義)として、試験割りつけを盲検された調査官による肺超音波で評価した。

・73人の小児(通常リクルーメント:37人;標準ケア:36人)がこの解析の対象となった。介入1時間前、通常肺胞リクルーメントか標準ケアに無作為化された小児間で無気肺は、仰臥位(83.3%、両群とも;P>0.99)でも伏臥位(88.9% vs 91.9%;P=0.970)でも同等であった。抜管前での無気肺の頻度は通常肺胞リクルーメントをうけた小児でより低く(8.1%)、それとくらべて標準ケアに無作為化された小児では47.2%であった(絶対リスク減少:39.1%[95%信頼区間:20.6〜57.6%);P<0.001)。


by anaesthetist | 2020-03-19 23:47 | 肺換気・片肺換気 | Comments(0)