人気ブログランキング | 話題のタグを見る

産後患者の硬膜穿刺後頭痛に対する局所翼口蓋神経節ブロックと硬膜外ブラッドパッチの比較

・硬膜穿刺後頭痛(PDPH)は偶発的硬膜穿刺の重度で衰弱させる合併症である。PDPHの標準化された治療法は硬膜外ブラッドパッチ(EBP)であるが、重大な合併症である髄膜炎や麻痺をおこす可能性のある侵襲的な介入法である。我々が思うに、これが初めての17年間におよぶ後向き診療録レビューで、産後患者のPDPH治療に対する翼口蓋神経節ブロック(SPGB)とEBPの有効性を比較しようとした。

・我々がおこなった診療録レビューでは、筆頭者の産科患者が無痛分娩の17ゲージTuohy針による偶発的硬膜穿刺でPDPHとなったのを1997年1月から2014年7月まで対象とした。患者背景・頭痛の重症度・関連する症状を治療前に聴取した。42人の患者がSPGBをうけたのと、39人の患者がEBPをうけたのを同定した。残存する頭痛・関連する症状の改善・新しい治療合併症を、治療後の30分・1時間・24時間・48時間・1週間で2群間で比較した。

・より多くの患者でPDPHや関連する症状の有意な寛解が治療後30分と60分にえられたのが、EBP治療後よりもSPGB治療後であった(P<0.01)。EBP治療した患者のみで治療後合併症があり、それらは全て48時間で改善した。

・より多くの患者がEBPとくらべてSPGBによる治療で、より迅速に頭痛の軽快がみられ、いかなる新しい合併症もみられなかった。SPGBは安全で費用がかからず、忍容性の高い治療法であると思われる。希望することとして、臨床試験を将来おこい我々の所見を確証して、PDPH治療に対してEBPを患者に提案する前にSPGBを推奨するようになることを願う。




by anaesthetist | 2020-08-29 18:13 | 硬膜穿刺後頭痛 | Comments(0)