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スコットランドにおけるCOVID-19中での緊急手術の変化:前向きコホート研究

・COVID-19は医療体制の全ての面で重大な影響をあたえている。我々の目的として、スコットランドのある地域における一般病院での緊急手術の傾向を特徴づけようとした。

・前向きコホート研究を2020年3月23日から2020年5月7日までおこなった。全ての緊急手術の患者が対象となった。患者背景・診断・治療管理をCOVID-19検査と結果とともに記録した。30日死亡と再入院率も記録した。同様のデータを2019年の同時期に入院した患者で収集して、比較しようとした。

・合計294人の患者が対象となった。58.3%の入院減少が2020年を2019年とくらべるとみられた(85 vs 209);しかしながら、年齢(53.2 vs 57.2歳、p=0.169)や入院日数(4.8 vs 3.7日、p=0.133)で差はなかった。2020年において、虫垂炎の診断が増加し(4.3 vs 18.8%、p≦0.05)、重症度も同様であった(0%>グレード1 vs 58.3%>グレード1、p≦0.05)。手術をうけた患者の割合は増加し(19.1 vs 42.3%、p≦0.05)、手術時間の平均値も同様であった(102.4 vs 145.7分、p≦0.05)。COVID-19診断が確定した患者1名と疑い患者1名で手術をおこなった。後者は30日以内に死亡した。COVID-19症状での30日再入院はなかった。

・COVID-19は緊急手術の入院数に有意な影響をあたえた。しかしながら、緊急手術はCOVID-19前の状態で必要となり続け、こうして医療を提供しつづけることが必要である。




by anaesthetist | 2020-09-01 19:36 | COVID-19 | Comments(0)