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人工呼吸長期離脱後における生存の予測因子

・人工呼吸からの離脱は集中治療の重要な要素である;しかしながら、この過程は一部の患者で専門センターでの治療が必要になるために長期になる可能性がある。現在のデータによれば、侵襲的な人工呼吸からの離脱が成功するのは患者のおよそ65%である;しかしながら、離脱センターから退院後における長期生存に関するデータは限られている。

・我々は、ドイツの離脱専門センターから退院した597人の患者(392人が男性、平均年齢 68±11歳)における生存の予測因子を解析した。

・人工呼吸からの完全な離脱を達成できたのは407人の患者(57.8%)で、106人の患者(15.1%)は非侵襲的換気で退院した;したがって、長期離脱に成功したのは患者の72.9%であった。退院後の1年生存率と5年生存率はそれぞれ、66.5%と37.1%であった。年齢・人工呼吸期間・ある併存疾患群・人工呼吸とともに退院、ということが有意に生存に影響をおよぼした(p< .001)。気管切開で退院して完全に離脱した患者は、完全に離脱して気管切開を閉じた患者よりも有意に生存率が低下した(p=0.04)。

・長期離脱後における生存の予測因子で同定されたものは、患者が集中治療室滞在中における治療戦略のサポートであった。患者を離脱センター退院後にもしっかりとモニターすべきであろう。




by anaesthetist | 2020-09-12 18:43 | 人工呼吸 | Comments(0)