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デンマークのCOVID-19 ICU患者における特徴・介入・長期転帰-全国観察研究

・COVID-19によるICU患者に関するデータの大半は、選別された集団においてで負荷のかかった医療システムのために短期的なフォローアップしかできていない。ここで提示するのは、デンマークのCOVID-19によるICU患者で選別されていない全員の特徴・介入・長期転帰で、ここではICUの占拠率は満床にならなかった。

・SARS-CoV-2でデンマークのICUに2020年の3月10日から5月19日までに入院した患者全員を同定し、患者背景・慢性基礎疾患・臓器サポート使用・入院期間・バイタル状態を患者診療録から登録した。死亡リスクファクターを調整コックス回帰分析にて解析した。

・323人のICU患者がCOVID-19と確定診断された。年齢の中央値は68歳で、74%が女性、50%に高血圧、21%に糖尿病、20%に慢性肺疾患があった;29%は慢性基礎疾患をもっていなかった。侵襲的人工呼吸を使用したのは82%で、血管作動薬は83%、腎代替療法は26%、ECMOは8%であった。ICU入院期間の中央値は13日(IQR 6〜22)、入院期間の中央値は19日(IQR 11〜30)であった。フォローアップ期間の中央値は79日であった。フォローアップ終了時、118人が死亡(37%)、15人(4%)がいまだ入院中で4人はICUで、これは2020年6月16日の時点であった。死亡リスクファクターに含まれたのは、男性・年齢・慢性肺疾患・アクティブな癌・基礎疾患の数、であった。

・このCOVID-19によるICU患者の全国人口ベース集団において、長期転帰は高齢や相当な臓器サポート使用にもかかわらず良好であった。男性・年齢・慢性基礎疾患、特に慢性肺疾患が、死亡率増加と関連した。

by anaesthetist | 2020-09-25 19:20 | COVID-19 | Comments(0)