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院内感染肺炎のベッド臥床患者における3ヶ月死亡のリスクファクター:多施設前向き研究

・院内感染肺炎(HAP)患者での死亡率はかなり高い;しかしながら、この集団における短期的死亡のリスクファクターに関する情報は限られたままである。この研究の目的として、HAPのベッド臥床患者の死亡リスクファクターを3ヶ月の観察期間で同定しようとした。

・二次データ分析をおこなった。合計で1141症例のHAPが25の病院から集められて研究の対象となった。単変量と多変量の回帰分析をおこない、死亡リスクファクターを同定した。

・3ヶ月の観察期間中、HAPのベッド臥床患者で189人が死亡した。この研究の死亡率は16.56%であった。多変量回帰分析によれば、人工呼吸器関連肺炎(OR=2.034、95%CI:1.256、3.296、p=0.004)・褥瘡(OR=2.202、95%CI:1.258、3.852、p=0.006)・併存疾患数(OR=1.076、95%CI:1.016、1.140、p=0.013)・補正チャールストン併存疾患指数スコア(OR=1.210、95%CI:1.090、1.343、p<0.001)が死亡リスク上昇と関連したが、全身麻酔下でおこなった手術(OR=0.582、95%CI:0.368、0.920、p=0.021)は死亡リスク減少と関連した。

・死亡率と関連するリスクファクターの同定は、医療計画を個別化するのに重要な手段である。我々の所見により、医療従事者が特定の介入を要する高リスク患者の選定に役立つ可能性がある。さらなる研究にて、不動による合併症や人工呼吸器関連肺炎を減少させるような修正可能なリスクファクターへ適切に介入することが予後の改善に寄与するかどうか、検証していく必要がある。

by anaesthetist | 2021-04-01 19:10 | 集中治療 | Comments(0)